昔話を考察する・その1
子供の頃に聞いた昔話。その中には私達が学ぶべき事がたくさんあると思います。
そこで、昔話をシリーズで考察したいと思います。
な〜んだと言わず、まぁ読んでみて下さいな。(^^)
「わらしべ長者」
【あらすじ】
とある若者の夢に観音様が出て「旅に出よ」「一番最初に持ったものを大切にせよ」と言うお告げがありました。早速翌日旅に出たが、途中道で転び手に持っていたのは「ワラ」でした。
そのワラをお告げ通り大切に持っていたが、ハエがうるさく飛び回るのでそのハエを捕まえてワラを結びました。
ハエ付きワラを見た子供があまりに欲しがるのであげたら、お母さんからお礼にみかん3個貰いました。
その後、女性に出会い「喉がカラカラ」と聞いた若者はみかん3個をあげた所、お礼にごちそうを頂き、反物を貰いました。
次に、武士と出会い体調の悪い馬を貰い反物を渡しました。
世話をして元気になった馬を連れた若者は、男性と出会いました。
男性は遠い所に行くので、その馬が欲しいと言いました。馬を差し出した所、自分の屋敷と田んぼをお礼に貰いました。
田んぼを耕すと豊作で、とうとうお金持ちになりました。
【考察】
この若者は元々貧乏で信心深い人です。
なのに、ワラを子供にプレゼントしています。困っていた女性に貰ったみかんも3個を全部与えています。
もし自分に「欲」があれば、そもそもお告げで大切にせよと言われたワラを手放さないでしょう。
その上、武士から体調の悪い馬を無理矢理押し付けられています。(笑)
ちなみに、私なら馬を貰ったら売るでしょう。この辺が小銭にしか縁のない所かもしれません。(^^ゞ
わらしべ長者は、良くラッキーな人や運が良くてお金持ちになった人に対して比喩として使われます。
出会った相手のニーズと自分の持ち物がことごとく合致した所は、確かにラッキーかも知れません。
しかし、この若者が本当に持っていたものは、「ラッキー」や「運が良い」ではありませんでした。
見知らぬ人々に対しても、馬に対しても深い思いやりを持っていたのです。
相手の気持ちを理解し、相手が喜ぶ、或いは助かるならば自分の持ち物を自ら差し出しています。
その結果が「モノ」となって帰ってきたのです。
物欲を含めて「欲」とは、自分本位である事の象徴なのかも知れませんね。
[1]週刊ココロコラム
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