シンデレラストーリー・女性編
以前勤めていた会社にネクラさんが入社して来ました。
入社時の彼女は、化粧っけがなく分厚いメガネをかけ、髪の毛はボサボサに伸び、持っている洋服を適当に着て来たような外見で、猫背で動作も遅いため、見た目イジメられっ子のような印象でした。
暗い顔で表情も乏しく声も小さいため、あまり友達になりたくないような雰囲気を持っていました。
同期の中のひとりの女性が、研修の時からネクラさんの事を気にかけているのに気付きました。
彼女は華やかで天真爛漫&フレンドリー、誰に対しても分け隔てのない接し方が素敵な女性でした。
余談ですが、その素敵さが妬みを買ったらしく先輩お局に「非常識」呼ばわりされイジメに遭っていました。^_^;
とある休憩時間、フレンドリーさんは、ネクラさんに対して「目が可愛いから、お化粧するともっと良くなるよ!」と自分の化粧品を広げてメイクをしてあげていました。
自分の顔、特に一重まぶたの小さい目を気にしていたネクラさんは戸惑っていましたが、一方的にメイク講座となっていました。
また、薄いブルーの服を着てきたネクラさんに「その色凄い似合うね!○○ちゃんは淡いブルーが似合うよ。今度一緒に服買いに行こうよ。」と声を掛けているフレンドリーさんを目撃しました。
それからネクラさんは、時々綺麗なブルーの服を着てくるようになりました。
「コンタクトの方が視野が広がるし、顔が軽くなるよ。一度使ってみたら?」
しばらくして、分厚いメガネからコンタクトに変えたネクラさんがいました。
「くせっ毛なの?一度パーマかけてごらんよ。その方が手入れが楽だよ。」
その後すぐにネクラさんはパーマをかけて来ました。
真っ黒でツヤツヤのウェーブロングを見て「わー!人形みたい!!」と本気で感激していたフレンドリーさん。
実際に、それまでのバサバサ頭より誰が見てもチャーミングです。
ネクラさんも恥ずかしそうに微笑んでいました。
自分でも化粧をするようになり、可愛い印象の服を着るようになっていったネクラさんの変貌は目を見張るものがありました。
遅い動作や猫背も少し改善され、笑い顔や不機嫌そうな顔を見れるようになったのは私も嬉しかったです。
その頃には、他の人から飲み会や合コンにも誘われ、彼氏がいる子から「ひとりじゃ淋しいからね」と紹介された男性と良い感じになっていました。
もう誰が見ても、「ネクラ」ではなく「可愛くて大人しい」女の子です。
そして、仕事も以前に比べてテキパキとこなせるようになっていました。
ネクラさんが、どんどん魅力的に自分の個性を出せるようになったのは、フレンドリーさんの自信を持たせてくれるような言動や態度がきっかけです。
しかし、このような友人の言動や態度があったとしてもそれだけでは変わりません。
言われた事を素直に受け止め、それを取り入れ自分の物にしていったのはネクラさん本人です。結局は、自分自身で自分を変えたのです。
またネクラさんの素直さを知った人が、次第に彼女に惹き付けられていっていた事も見逃せない事実です。
根暗なタイプの人の多くは「どうせ自分なんか」と言う鎧を身に付け、人からどんなに良い事を言われても鎧で跳ね返しがちです。
鎧が強固になると、今度は人が自分に対して言っていることを悪い方に捻じ曲げる盾も手に入れてしまいます。
世の中の多くの人は好戦的ではありません。
それに気付いて、盾も鎧も捨てる事が出来れば、ネクラさんのようにもっと素敵な自分に変身出来るでしょうね。
[1]週刊ココロコラム
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