生きる力

昔「東大一直線」(1976年〜1979年少年ジャンプ連載・小林よしのり著)と言う漫画がありました。
内容は下ネタ満載の強烈なギャグ漫画なのですが、連載当時は時代的にこの漫画のタイトルのような風潮があったのです。
「一流大学卒→一流企業に就職→定年まで年功序列の出世と給与を保障→生活安泰・人生勝ち組」と言う図式がありました。
子供の人生を案じるあまり母親が「教育ママゴン」になったり、大人でも出身校のレベルが対人関係において露骨な優劣となったりと、成績や出身校がパーソナリティの大きな要素となっていました。
何が何でも勉強と言う風潮は、ついていけない子供達を「落ちこぼれ」にし、ついていかない子供達は「不良」となり社会の問題となって行ったのです。

このような流れから「詰め込み教育」と批判された学校側は、「ゆとり教育」として学習時間の削減や週休2日制を打ち出しました。
それまでに比べて勉強する機会や時間を削除しているため、考えてみると当然なのですが、今度は学力低下が指摘されています。
その上、勉強がしたい子や出来る子に対して授業の流れが遅すぎる「浮きこぼれ」が登場しています。
また、一流企業の倒産やリストラが昔の図式通りにならない現実をつきつけました。
そんな世の中に対して、子供たちが「勉強したって意味ねーじゃん」と思うのは自然な事なのかも知れませんね。

昔は高学歴や一流企業社員と言うだけで、それなりの経済力や対人関係を築けました。
今は、何をどうすれば安穏とした生活が出来るのでしょうか。

最近、起業や株がブームと言われています。
アテにならない世の中で生きていくためには、自分でなんとかしなくてはならないと多くの人が思っているからこそのブームなのでしょう。
そして、磐石な基盤をなくした企業に仕える企業戦士的な価値観を持つ人は減り、「自分の能力に対する正当な対価」を求める人が増えてきたようです。
このような流れの中、自ら行動して自分の生活を作り出し「成功」している方は多勢いらっしゃいます。

1996年に文部省(現在の文部科学省)の中央教育審議会第一次答申で「生きる力」と言うものがありました。
「これからの子供たちに必要となるのは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性であると考えた。」(一部抜粋)
子供たちに向けた教育理念ですが、自分で自分の生活を作り出す必要に迫られている現代の私達にとっても、重要な事を教えてくれている ような気がします。
別の見方をすれば、見た目や学歴ではなく、個人の資質そのものが評価される時代なのかも知れませんね。

蛇足ですが・・・
当サイトの風水のページに「第八運特集」を掲載していますが、「第八運を予想する」の中でこのように書きました。 「旧態依然とした企業やサラリーマンは淘汰されるような厳しい状況に陥り、生き残る為には新しい考え方や企業理念が必要になってくるでしょう。
逆に言うと、この時代を生き残る新たな考えや産業が生まれ、発展していくという事です。
経歴や肩書きではなく、時代の流れを敏感に察知し、柔軟な考え方を持ち、流れに乗れば成功者の仲間入りをする事が十分可能なのです。」
時代の流れは第八運っぽくなっているようですね。
[1]週刊ココロコラム
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