種の存続

私達の中には、生き物全てが持っている「種の存続」という根本的な本能があります。
今回は動物の行動を元に、この辺を考察したいと思います。

オスは自分の「種」を少しでも多く残そうとします。
これは、数多く残す事で生存競争を確実に生き抜き、次の命に自分の「種」を受け継ごうとするからです。
一方、メスが子供を産み育てるには多くの時間と労力がかかります。
そのため、確実に健康で強い生命力を持つ命を次につなげる事を最重要視し、少しでも強いオスの「種」を求めます。
オスはメスに受け入れてもらえないと「種」を残せません。そのため、多くの動物はメスがオスを選んでいます。
勿論、人間もこのような本能を供えています。

男性が浮気や二股で2人の女性を両方同じ位愛し、一方に決めれず苦悩すると言うような「並列的」な感情を持つ事があります。
異性に対してだけでなく、仕事・趣味・友人・家族・恋人など大事だと思うものを並列的に扱う感情を持っています。
女性からすれば、これは受け入れがたい感情です。(第6回「男の失恋・女の失恋」参照)
より強いオスを本能で求める女性には、男性の並列的な感情は理解できません。
新しい彼がより強いオス、と見なせば情は新しい恋人に向き、元彼は「過去の人」とばかりに素っ気なくなります。
男性からすれば、このように素っ気なくされる事が理解出来ないでしょう。
なにしろ、過去の恋人に対する未練や思い出をずっと引きずっているのは圧倒的に男性の方が多いですから。
さらにナンパは、女性が男性に声をかけるより、男性が女性に声をかける方が多い傾向も見逃せません。

「種の存続」の本能から男女の違いを考えてみると、男性が女性に比べて浮気性だったり、女性が家庭を捨ててまで新しい恋人の元に走ってしまうのは、あながち不自然と言い切る事はできませんね。

今回の考察は、このような事を肯定している訳ではありません。
浮気や不倫、二股などは、現代人の倫理観から見れば無論良くない事ですし、普通の恋愛関係や夫婦関係に比べてはるかにリスクが高いでしょう。
人間は、本能や衝動を抑える事が出来る理性と言う素晴らしい能力を持っています。
それ故に「オス・メス」が持っている本能を見えにくくしているとも言えるでしょう。
恋人同士や夫婦関係で浮気などのトラブルがあったり、パートナーの感情や行動がわからない時など、自分の感覚だけではどうしても理解出来ないものもあると思います。
そんな時、たまには「オス・メス」の見地で考えてみるのも、別の視点から考える良いきっかけになるかも知れませんね。
[1]週刊ココロコラム
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