タイガー・ウッズに学ぶ
プロゴルファーのタイガー・ウッズは、父親の手ほどきで子供の頃からゴルフを始めました。
ほめられてゴルフを教わり、ほめられて育ったタイガー・ウッズは21歳でプロになりわずか10か月余りで由緒ある7つの大会で優勝しています。
彼に限らずアメリカでは子供をほめて育てる風潮があります。
ほめて育てると個性や才能を伸ばすと考えられていますし、実際にそのような結果も出ているそうです。
日本では親密な関係であればあるほど相手をほめる事は少ない傾向があります。
男性が意中の女性に対して「可愛いね。」「綺麗だね。」「いい子だね。」などとほめ言葉を口に出しても、付き合って数年もしないうちにそんなほめ言葉は滅多に出なくなってしまうパターンが解りやすい例かも知れません。
付き合う前と付き合いを続けている親密さは全く違います。
親密さが強くなればなるほど、お互いがお互いの事を十分理解して分かり合っていると思います。
そうすると「今さら解ってる事言わなくてもいいじゃん」とばかりに暗黙の了解になっていきます。
暗黙の了解は、実は「ひとりよがりな思い込み」です。
最初はお互いの同意であったとしても時が経つと曖昧になったり、心境の変化が出てきてズレが生じる場合もあります。
また、最初から相手が同じように思っていないケースも多くあります。
「言わなくても解ってるでしょ」的思い込みで省略される「相手に対する言葉」は、ほめ言葉を含むポジティヴな言葉が多く、逆に、指摘、批判、説教、叱る、小言、意見などネガティヴな言葉ははっきりと相手に伝える傾向があります。
元々ほめる文化が根付いていない日本の文化が要因となっているのかも知れませんが、ネガティヴな言葉をかけあえる程「親密」で良い関係だと考える風潮すら見受けられます。
ポジティヴな言葉がどんどん減ると、ネガティヴな言葉ばかりが目立ってきます。
これは、子供にもご主人にも小言の多い口うるさいお母さんが典型例でしょう。
「ほんとに甲斐性ないんだから。」「休みだからってゴロゴロしてないでたまには運動でもしなさいよ。」「だからあなたは駄目なのよ。」
「何?この点数。何のために塾行ってるの?」「お菓子ばっかり食べちゃいけません!」「ゲームばっかりやってないで早く寝なさい。」
この言葉の中には、相手への愛情や気遣いから出ている言葉も含まれています。
しかし、言われる側としては、相手から「自分に対するネガティヴな情報」ばかりを受け取り、ポジティヴな情報はほとんど受け取っていません。
「自分に対するネガティヴな情報」を受け取るほど、自分の自己評価が下がりますし、ネガティヴな思い込みが増えていきます。
親子でも夫婦でも親友でも一卵性双生児でも、相手を全て完全に解る人はいませんし、お互いが全て完全に分かり合っている事もありません。
「今さら解ってる事言わなくてもいいじゃん」と言う思い込みが強いほど、時間をかけてお互いの関係にヒビが入る可能性があります。
自分は解っていても相手が解っているかどうかは自分には解らない。だから相手にきちんと伝えよう。と考えると次第に言葉が変わって来ます。
「休みだからってゴロゴロしてないでたまには運動でもしなさいよ。」と言う言葉が
「休みの日には運動をして欲しい。あなたがずっと健康でいて欲しいと思っているから。」
と言う言葉に変われば、直接的にネガティヴではなくなりますね。
お互いがこんな言葉をかけあえれば、お互いの幸せ度がどんどん高くなる事間違いなしです。
さらに、自然と相手をほめる機会も増えて来ます。
もしかすると自分の親密な人がタイガー・ウッズのように凄い力を発揮してくれるかも知れませんよ。
[1]週刊ココロコラム
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