団体・その4

随分前に大学のサークルを装った集団などがマスコミに取り上げられた事があります。
このような集団や団体の多くは、その実態を隠し巧妙に人を惹きつけようとあの手この手を使っています。
外側からはセミナーや教室、或いはサークルや勉強会、ビジネスなどにしか見えず、多くの人が疑わないでしょう。
そう言った意味では、誰もがそのような集団や団体に接する可能性があります。

人々を食いものにするような団体や集団に接し、その実態に気付けるかどうかが重要になってくるでしょう。
これまで某団体を例にして、カルト的な団体にはまってしまう人の傾向をご紹介してきました。
それらを踏まえて考察していきましょう。

その2でも触れていますが、他罰的な人や依存的な人は、常に自分で対処できない不満を募らせているため、解決してくれる存在として団体に依存しがちです。
起った問題自体に目を向ける事が出来れば、物事の矛盾や辻褄の合わない事を容易に見つけ、物事の本質を見極める事が出来ます。
また、自発的に物事を対処する姿勢があれば、団体に依存しません。
対人関係が希薄な人や孤独感を持つ人は、自分から友人を作る努力をしましょう。
何の努力もなしに、他人の中から「自分の味方」をみつけるのは難しいです。
自分から行動し、ありのままの自分を他人に開示する所から円滑な対人関係が始まります。

そしてもうひとつ。
物事の結果にこだわるタイプの人は、団体の手伝いをすれば「成功する」、お金を払えば「成長する」と言った明確な(自分の求める)結果を提示されると、結果を重視する余りその過程である「団体の手伝い」や「お金を払う」に対して何の疑問も持たなくなる危険性があります。
現代社会は成果主義・結果主義の所が往々にしてありますが、結果に至る過程も含め全体的に物事を見る目を養う必要があるでしょう。

最後に、自分の友人・家族・恋人がカルト的な集団や団体にどっぷりはまってしまった場合のお話です。
個人の程度にもよりますが、団体に対して非常に従順で感情移入をしています。
そのため、その団体に対する否定的な意見には強く反発しますし、団体から引き離そうとすると頑なに抵抗します。
たとえ本人に真実を伝えてもそれらを受け入れる事はほぼありません。
特に、マインドコントロールされている場合は性格や思考、価値観などが以前と変わっている可能性が高く、近しい人が説得すればするほど逆効果になる場合もあります。

まずは家族や友人など、本人の周りの人々が対人関係を円滑にし、十分な信頼関係が築けるように配慮します。
そのためには、周りの人々が感情的にならず団体を否定しないように気をつけます。
そして、その間に本人に解らないようにその団体に対する情報収集を続けます。
十分な信頼関係を築けたら、本人の話を良く聞き、収集した情報などから本人の話の中に矛盾点を見つけて、やさしく質問をします。
これを続けていると、本人は「信頼している人から受けた答えられない質問」に対して疑問を持つ可能性が出てきます。
その疑問が疑念となれば、本人が団体の矛盾に気付くようになります。
しかし、マインドコントロールを受けていたり、長年団体に所属したり深く関わっている場合は難しいです。
カルト集団からの「救出カウンセリング」がありますが、家族や近しい人達の努力と相当な時間がかかるでしょう。

人々を食いものにするような団体や集団は無数にあります。
今回の連載が少しでも役に立てば幸いです。
[1]週刊ココロコラム
[2]TOPに戻る