贈り物

私は昔からカエルグッズコレクターです。
それなりにこだわりがあり、手当たり次第ではなく自分の欲しいものだけを集めています。
最近では誕生日でも記念日でもない時に友人知人からカエルグッズを頂く事があります。
頂く時に良く聞くのは「この品見つけた時よいこさんを思い出したから、ついプレゼントしたくなった」と言う言葉。
その言葉と共に頂くカエルグッズはことごとく私の好きなタイプのものです。(^^)
カエルコレクションが増える事も嬉しいですが、それ以上に私の事を理解してもらえている事、私の存在がその方の中にある事を実感できて嬉しさと感謝の気持ちで幸せ一杯になります。(^^)

一方、旅行好きの知人は必ずお土産を買って来てくれます。
お土産が食べ物の時は良いのですが、「物」になるとはっきり言って貰っても困るような品だったりします。
「お土産はいいからね。」とやんわり断っても、旅行から帰ってくると将棋の駒がついたキーホルダーとか妙なキャラクターのついたストラップなどを頂きます。
折角買って来てくれたのに文句を言うのも申し訳ないので一応喜んで頂きますが、使わない・使えない・趣味に合わない・でも捨てられない物が増え、実は本気で困っています…(^_^;)。
私と同じように、嬉しくないものを贈られて困った体験をされている方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

誕生日のプレゼントやお土産、バレンタインやホワイトデー、結婚や出産のお祝い、果てはお中元・お歳暮など人に何かを贈る機会は誰にでもありますね。
多くの方は贈る相手の事を思い浮かべ、相手が喜びそうな品を選ばれていると思います。
状況によっても変わってくるでしょうが、中には義理や義務感だけで適当に品物を選んでいる場合もあるかも知れません。
ちなみに先の旅行好きの知人と一緒に旅行に行った時、帰る間際に人数分の品物を買い、帰路の途中で誰に渡すか振り分けていました。
その姿を見て、誰に何を贈ると言うより「旅行に行ったらお土産を買わないといけない」と思っているのかも知れないなと考えていました。
悪意を持っていやらしく言えば、旅行に行ってきた事を他人に誇示するためのツールとしてお土産を買っているのかも知れません。

贈り物は相手のためにするものだと思っていると、見返りを求める傾向が非常に強くなります。
例えば、誕生日のプレゼントあげたのに自分の誕生日にプレゼントがない、お中元贈ったのにお返しがない、前お土産渡したのにお土産くれなかった、などなど。
見返りが得られないと不満を抱き、相手に対する不信感につながる場合もあります。
また、返礼が当然だと思っている人は、お返しがないと「礼儀知らず」「マナーがなっていない」と見下す場合もあるでしょう。
また、相手が望んでいない品、貰っても困る品を一方的に贈っても、感謝や返礼を求めるようになってしまいます。

本当は、贈り物は自分のためにする行為なのです。
この品を送ったら相手は喜んでくれるかな?と思ったとしても、相手が喜ぶ姿を見たいのは自分です。
この品を気に入ってくれたらもっと仲良してくれるかな?と思ったとしても、仲良くしたいのは自分です。
そう思えば、見返りを期待する事はありませんし、義理や義務で適当な品を選ぶ事も少なくなるでしょう。
先の「この品見つけた時よいこさんを思い出したから、ついプレゼントしたくなった」と言う言葉にも「したくなった」と言う自分の行為である事が現れています。

相手のためと思って贈り物をするより、自分のためと思って贈り物をする方が、相手が本当に喜ぶ品を贈りたいと思うようになるから不思議です。
今度、誰かに贈り物をする時はこんな事をふと思い出してみて下さい。
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