苦手意識
私は算数や数学が大の苦手で、数字が並んでいるだけでも嫌だと思うタイプです。
発端は、算数で分数の授業の時に風邪で休んでしまった事です。
元気になって学校に登校したその日に分数の計算テストがあり、計算の仕方が解らず0点でした。
それ以来、算数の授業についていけなくなり、いつしか数字そのものが苦手となりました。
買い物のつり銭もすぐに計算出来ず、消費税が外税の時には欲しい品物がいくらなのかすぐに解らない状態でしたし、人に金額や簡単な計算を聞かれるとそれだけで焦ってしまいます。(^_^;)
失敗やつまづきは誰にでもある経験です。
失敗しても再チャレンジして上手く行けば、その後に同じような状況になっても過去に「成功した経験」がありますので上手く行くだろうと仮定して行動出来ます。
しかし、同じ失敗やつまづきを何度か経験してしまうと、過去に「失敗経験」がありますので、同じような状況に対して「きっと上手く行かない」と仮定してしまいます。
こんな感じで「苦手意識」が作られます。
苦手な物事に対しては取り組む前から「嫌だ」「やりたくない」「上手く行かないはず」「失敗するに決まってる」等と思います。
心に緊張(焦りやパニック含む)が生じている状態ですので、冷静さに欠けた行動をとってしまい余計に上手く行かない傾向があります。
また、これ以上失敗を繰り返して自信喪失したくないですから、苦手な事はなるべく避けたいと思うのは自然な心の動きでしょう。
しかし、避ければ避けるほど苦手な物事を意識している事になりますので、苦手意識が強くなってしまいます。
一度強く芽生えてしまった苦手意識を「なかった事」にする、つまり苦手意識を消す事はとても困難です。
しかし、見方・考え方を変えれば苦手なものが苦痛でなくなる、或いは苦手でなくなる事も可能です。
数字が苦手ならば、ゲームの「脳トレ」用の計算問題集を毎日少しずつやってみる。
これは苦手な物事に対して避けずに時間を割いていますので、今以上に苦手になりにくいと言えます。
また、ただの計算ではなく「ゲーム」であり「脳トレ」である事が、苦手な物事が今までと同じではなく「他のプロセス」になっています。
さらに、簡単な計算であれば「正解=成功経験」事につながります。
成功経験が増えれば、これまでの「失敗するに決まってる」と言う思い込みが「失敗するかも」→「失敗するかも知れないけど成功するかもしれない」→「上手く行けば成功するかも」と言った感じで少しずつ変わってくるかも知れません。
苦手な物事に対して時間を割き、なおかつ苦手な物事を「他のプロセス」としてこなす事が出来た私の実例も紹介します。
縁あってデパートでバラ売り菓子の販売のアルバイトをした事があります。
レジが遠かったので、お客さんが小さなカゴに入れて差し出した60円のキャンディ4個と120円のチョコ2個と70円のマシュマロ6個と…等を素早く計算して合計金額を言わなければいけないのですが、焦ってしまい正しく計算出来ません。
忙しい時は焦りも最高潮で、計算機の押し間違えても含めまともに計算できません。
計算ばかりするこの仕事がとても嫌でしたが、人が足りないため辞めるに辞められません。
そこで一計を案じ、各商品(30〜40種類)の値段を全て覚えた後、このキャンディ2個とこのチョコ1個の組み合わせは100円、と言ったように全種類のお菓子でそれぞれ100円分・50円分の組み合わせをいろいろなパターンで作り、それを絵に描いてバックヤードに貼って覚えました。
すると、カゴの商品を見るだけで直感的に正しい合計金額が解るようになったのです。
お陰で他のバイトの人よりも格段に計算が速くなりました。
本人は計算していると言うより100円分ずつ数えてる程度の感覚でしたので、焦る気持ちも苦手意識も全くありませんでした。(^^)
私は、数字や計算、算数・数学に対する強い苦手意識は今でもあります。
しかし、このアルバイトの経験が財産となり、苦手意識があるにも関わらず「細かい金額の計算」だけはやたらと早くなりました。(^_^;)
もし何か苦手な物事を克服したいと思う方は、あえて向き合ってみたり、あえて好きになってみたり、考え方やプロセスを変えてみたりすると、出来なかった事が出来るようになるかも知れません。
人並みに出来さえすれば、苦手意識があったっていいんです。
それと、苦手なモノは苦手なんだから、無理に自分のアピールポイントにして「出来るフリ」しなくてもいいんです。
そう思うだけでも、ほんの少し苦手な物事に対して親近感が湧くかも知れませんよ。(^^)
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