セックスレスを考える・その2

コンドームのメーカー「デュレックス」が行った調査(2005年)によると、1年間のSEX回数の世界平均は103回でした。
SEX頻度が少ない国でも70回以上でしたが、日本は45回とSEXの頻度が他国に比べとても低い事がこの調査結果で解りました。
日本の社会的な背景もあるのでしょうが、もしかすると他の国の人達よりも元々SEXに淡白なのかも知れませんね。

前回の性機能障害は、身体的な面と心理的な面が個々のケースによって異なる上、とてもデリケートな問題ですので簡単なご紹介に留めました。
今回は、セックスレスに陥りやすいパターンを心の面からご紹介します。
これらは奥深い心の動きであるパターンが多く、パートナーだけではなく本人自身も自覚していない場合があります。

■関係性の距離感
「性嫌悪障害」でも紹介していますが、付き合い始めた頃は他人の男女の仲、結婚すると夫と妻、子供が生まれるとパパとママと言った感じで、お互いの関係性がどんどん近くなっていきます。
多くの人が親や兄弟にセクシャルな感情を抱かないように、他人の男女が「家族」になってしまうと、性の対象ではなくなり生理的に受け入れられなくなるパターンが多いです。

■男女のSEX観の違い
男性のSEX観は性欲と直結している事が多いですが、女性は性欲と直結と言うよりも愛情の確認儀式として捉えている傾向があります。
そのため、男性の一方的なSEX(前後の過程も含む)、或いは自分への愛情が感じられないSEXの場合、愛されている実感が湧かず「精神的な満足」が得られません。
喜びを感じられない不満足な営みを自ら好んでやりたいとは思いませんが、彼への愛情から関係を壊したくないために「我慢」します。
「我慢」の状態が続くと次第に精神的に苦痛になってきます。

■パートナーがライバルに変化
共働きや女性が仕事をしているパートナーに見られるパターンです。
女性がバリバリのキャリア・ウーマンですと、経済的にも精神的にも社会的にも自立していきますが、自立するにつれて女性も考え方や価値観などが男性的になっていく傾向があります。
男性は元々物事に優劣や勝ち負けをつけたがる性質を持っていますので、パートナー同士の関係性がいつしか優劣や主導権を争う「ライバル」同士になっていきます。
「男VS精神的な男」の関係性になってしまうと、次第にセクシュアルな感覚を相手に抱きにくくなっていきます。

■相手に対する「怒り」がある
大きな出来事やケンカと言うよりは、日常の些細な不満や怒り、悲しさが積み重なると、相手に対して「嫌悪感」を抱いてしまう事があります。
些細な感情の積み重ねの結果ですので、「嫌だ」とはっきり自覚しない場合もありますし、大切なパートナーを嫌いになってはいけないと言う観念があれば「嫌」な気持ちは抑圧されますので、一見気付きません。
しかし、嫌悪感のある相手から触れられたい、体を重ねたいと思う気持ちにはなりにくいです。

■相手に対する罪悪感がある
浮気や経済的な事など理由は様々ですが、パートナーに対して何らかの罪悪感を抱いていると、「こんな罪作りな自分が相手から幸せ(喜び)を貰ってはいけない」と言う気持ちが自然と、ほぼ無自覚に働きます。
罪悪感は自分にとって、とても居心地の悪い心の状態ですので、さらに居心地の悪くなる心の状態を自分から作りたくありませんので、なるべく性的な事を避ける方向に持って行こうとします。

これらは奥深い心の動きであるパターンが多く、パートナーだけではなく本人自身も自覚していない場合があります。
そのため、拒否している本人にもセックスレスの明確な理由が解らないケースが数多くあります。 次回も引き続きご紹介します。
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