沈黙
私は、会話の中に沈黙が出来ると不安や焦りを感じてしまい、「間」を作らないように必死で喋る傾向があります。
学生の頃や会社など、仲良しグループでお弁当を食べる時も、いつもひとりで喋りまくり、気付くとみんな食べ終わっていて慌てて食べていた位です。(^^;
食べているのだから沈黙が出来ても仕方ないのですが、それすらも不安だったのです。
なるべく共通の話題から入るのですが、喋るネタがなくなってくると、自分の話(関西の血のせいか失敗談や笑える自慢話中心)になっていきます。
話したい事と言うよりも、間を埋めるために焦って喋るため、話しているうちに変な展開になったり、自ら墓穴を掘ってしまって後から「やっちまったー」と頭を抱える事もしばしば。
そして、後になって自分の話ばかりしていたなぁと反省するパターンが常です。(^^;
自分自身でこの事に気付いたのは、大人になって随分経ってからですが、今でも時々無理なマシンガントークを炸裂させる時があります。
今回は、自戒の意味も含めて、この事について考察したいと思います。
沈黙は言葉がない分、相手の気持ちを察しにくくなりますので、自分のせいで気まずい雰囲気になっていないだろうか、自分の一言が相手を不愉快にさせていないだろうか、と気をもんでしまいます。
この気持ちのベースには、相手が自分の事を嫌っていないだろうか、と言う「嫌われる事に対する恐怖や不安」が隠れています。
相手が自分を嫌っていないと十分解っている家族やごく親しい人との会話には、沈黙があっても気にならないものですが、そうでない場合は沈黙があると不安を感じる傾向があるのです。
もうひとつ、自分自身の中で「スムーズなコミュニケーションは会話を途切れさせてはいけない」「会話に沈黙があってはいけない」と言った観念を持っている場合も、会話の中の沈黙に不安や恐怖を感じます。
会話の中の沈黙に不安や恐怖を感じると、一刻も早く不安や恐怖を回避したいため「早く話さなくては」と焦ります。
そして、これまでの話の流れや、相手の話を汲んでいる余裕がない状態で話し出しますので、一方的な会話になりやすい傾向があります。
焦れば焦るほど話のペースが速くなりますので、自分のペースだけでなく相手の会話のペースと合わなくなる場合もあります。
これでは会話の中で意思の疎通は難しいかも知れません。
それだけでなく、本人は話の中で「間」や沈黙を作らないようにと常に気を張っていますので、精神的に疲れてしまいます。
正直な所、私もひとりになってようやくホッとする時もあります。(^^;
では、会話の中の沈黙に焦って無理矢理喋らずに済むにはどうすれば良いでしょうか。
一番有益なのは、「嫌われる事に対する恐怖や不安」や「スムーズなコミュニケーションは会話を途切れさせてはいけない」と言った観念を、心から取り払う事ですが、誰でもすぐに出来る事とは言いがたいですね。
そこで、会話テクニックとして1つの方法をご紹介します。
互いの人柄や関係性、会話の主導権、環境などによって会話の状況は異なりますので、全ての場面において有益な方法ではありませんが、知っておいても損はないと思います。
その方法とは、「逆手に取る」です。
会話が途切れたり、沈黙が出来た時、その沈黙を楽しむように「あえて」黙ってみましょう。
程度の差はあれ、多くの方が会話の中の沈黙に不安や恐怖を感じます。
そのため、自分が黙っていると、相手が沈黙に耐え切れず何か話し出す可能性が高まるのです。
特に、初対面を含め交流の浅い人ほど、相手の人柄や気持ちが解りませんので、この傾向は顕著になるかも知れません。
そして、相手の話を聞いて会話のテンポを相手に合わせながら答えたり、その話題について相手に質問を投げかけていくと、一方的なマシンガントークではなく、無理のないペースで自然な会話が進んでいくでしょう。
私と同じタイプの方は、この方法を記憶の片隅にでも入れておいて、使えそうな時は是非使ってみて下さい。(^^)
[1]週刊ココロコラム
[2]TOPに戻る