縄張り意識

私の学生時代からの友人(♀)でこんな人がいます。
彼女のパーソナリティは人見知りを一切せず、とにかく人懐っこくて、誰にでも滅茶苦茶愛想がいいので何処に行ってもすぐに人気者になります。
しかし、どうも彼女と一緒に居るとひとつの違和感を感じる事が時々あります。

それは、話をする時の距離が異常に近いのです。もうすぐ抱きつくかキスするんじゃないかと言う位。
自分はその距離がちょっと辛いので一歩下がると彼女は一歩前に出て同じ距離を保ちます。
これが長く続くとなんか不思議な感覚に襲われます。一体なんなんだろうと以前調べた事がありました。

それはパーソナル・スペースと言うものでした。
コミュニケーションを取る相手との物理的な距離、つまり自分自身の周辺の縄張り意識の事です。
初対面の人がいきなり超近づいてきたら誰でもちょっと不快な気持になります。
まるで縄張りにズカズカと勝手に入ってきた様に「あつかましい人」と言った印象を持つでしょう。
これは自分のパーソナルスペースに侵入されたからなのです。
逆に自分が好意を持っている相手があまり自分に近づかないと「自分の事嫌いなのかな?」なんて考えてしまいます。
このパーソナル・スペースはだいたい体の前方が特に伸びた、前後が長く左右が短い楕円形と考えられています。
大きさは個人によって違います。また相手への親密度等によってその都度形や大きさが変わります。
平均的な距離は、社交的関係(同僚と一緒に仕事をする等)120〜360cm、個人的関係(友人等と個人的なコミュニケーションを取る等)45〜120cm、親密な関係(家族や恋人とコミュニケーションを取る等)45cm以内と言われています。
但し、満員電車等で物理的にどうしようもない状態の場合は心的コントロールをしています。

私は彼女とのパーソナルスペースの大きさが違った為、違和感(実は不快感)を覚えていたのです。
この事を知って、ある程度自分で納得したのかそれ以来彼女とコミュニケーションを取る時、近い距離でも違和感をあまり感じなくなりました。
他の見方をすれば、このパーソナル・スペースを意識的に感じ、上手く活用すれば対人関係が今よりもっと上手く行くでしょうね。
[1]週刊ココロコラム
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