静かな赤ちゃん
私の年がかなり行っちゃってるのがバレそうですが(^^ゞ
学生時代に授業の中で新生児から始まる人格形成の話を聞いていた時の事です。
家庭科の先生が当時かなり普及し始めていた「紙オムツ」についてこう語りました。
「赤ちゃんは<快><不快>から人格形成が始まるのに、紙オムツでは排泄後の不快感が鈍りその後の人格形成に重大な影響があると私は考える」と。
別段気にしていなかったその言葉ですが、子供の自閉や引きこもり、幼児虐待等をマスコミで見る度にふと思い出していました。
そして、赤ちゃんには全く縁がない私ですが調べて見ました。
「紙オムツ」は確かに即座におしっこを吸収しジメジメ感はないそうですが、長時間紙オムツを着けていると「ムレ」てしまうのだそうです。
紙オムツだからと長時間オムツ替えをしないと、赤ちゃんは「ムレ」に対する不快感を抱き続けるのです。
また最近、小学生でもオムツがはずせない子、オムツがないと排泄出来ない子、排泄の感覚がない子、排泄を極限迄我慢してしまう子等、正常な排泄が出来ない子供が増えていると言われています。
これも「紙オムツ」の弊害ではないか言われています。
昔は、産婆さんを呼び「家」で出産をしました。
母親は赤ちゃんに母乳を飲ませ(昔は人前でも平気でお乳をあげている母親を良く見かけました)、布オムツを頻繁に替え、忙しい時も赤ちゃんをおんぶしていました。
現在は、産婦人科で出産をし(生まれてきても母親のそばにいない)、良質の粉ミルクを与え、紙オムツを時々交換し、テレビをつけ、出掛ける時はベビーカーがあります。
とても便利になった反面、赤ちゃんと母親とのスキンシップやコミュニケーションが昔に比べ激減しました。
このように便利になった時代に育った子供達と、引きこもりや自閉気味の子供が増えた時期は奇しくも一致しています。
そして近頃「サイレントベビー」が注目されています。
サイレントベビーとは「笑わない、泣かない、目を合わさない、赤ちゃんらしさがない」一歳前後の乳児を指します。
赤ちゃんの五感のうち、触覚が一番先に発達します。また、聴覚・嗅覚は驚くことに大人より優れているのです。
泣いて母親を呼び、近くに来た母親の匂いや抱いてもらった触覚、そしてかけてもらう声で母親を認識します。
しかし、最初に人間関係を形成する母親との関係が上手く築けないまま成長すると、その後人間関係を築いたりや社会生活を送る事が出来ない人格が形成される可能性があります。
なおかつ、人格形成の初期段階での歪みを矯正するのは難しい事でしょう。
多分、子供や若者の不可解で残忍な事件はこれからも当分起こり得るのかも知れません。
最近では昔からある「布オムツ」の良さが見直され、手間がかかってもあえて普段は布オムツを中心に使用し、外出時等に紙オムツを使用する母親が増えているそうです。
氾濫する情報の中、核家族で、時には仕事と両立させて、未体験の育児をする現代の母親は、ある意味昔の母親よりも大変なのかも知れません。
[1]週刊ココロコラム
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