悪徳セミナー・その1
自己啓発セミナーと言うものがあります。
数時間から数週間のセミナーを通して自己の再発見や向上を目的とした講習会です。
有名なセミナー団体は大手企業の新入社員や幹部の研修の一環として取り入れられている所もあります。
悩める人や迷いを持っている人は、今の自分の状況から抜け出させてくれるかも知れないと、わらをもすがる思いで受講する場合もあるでしょう。
しかし、一部には大変悪質なセミナー団体もあります。
今回は、そんな悪徳団体がどんな流れでセミナーを行っているかを一例として紹介します。
こんな自己啓発セミナーには絶対引っかからないようにして下さいね。
全く親交のなくなった古い知人から突然連絡があり、懐かしさも手伝って会って見ると、大抵は何かの勧誘だったと言う経験をされている方もいらっしゃると思います。
勧誘の仕方も巧妙かつ相手の立場を考えない押しの一手で閉口する場合もあります。
飛び切り高額な受講料を騙し取られるだけならまだしも、このようになりふり構わず勧誘をするように人格をプログラムするセミナーや、まるでオウム真理教が信者に行った「洗脳」をして人格破壊をする団体もあります。
悪徳セミナーでは、会場が密室にされ、途中で出入りが出来ない「監禁」状態にされます。
その中で講師がまずセミナーのルールを説明します。
その内容が常識的におかしい内容だと気付いても、受講者はかなり高額な受講料を払っているので、何か特別な事があるのだろう等と自分自身を納得させ、自分を正当化させる心理が働きます。
そのためルール自体が無茶なルールでも、受講者は怒って帰るなどせず、逆に守ろうとするのです。
一番大切なルールは「他人にセミナーの内容を口外してはならない」でしょう。
普通の人が聞けば、一発で「怪しい」と言うのが解りますからね。
最初は自分の欠点や弱い部分を徹底的に指摘され攻撃されます。
一緒に受講している人とペアを組まれ、お互いにののしりあいをさせたり、全員の前で裸になって立ち、全員から身体的な欠点を延々と聞かさせる場合もあるそうです。
これはかなり自尊心を傷つけます。
元々悩みを持っている人がこの体験をすると、酷い時には自殺に結びつく事さえあります。
次に弱った感情を浄化させる「カタルシス」体験をさせます。
不平不満や今まで言えなかった事を何時間も叫び続けさせられます。
この体験で辛かった時を疑似体験する場合もあり、同じく自殺に繋がる場合もあります。
逆に声に出した事で思いが「昇華」する場合も多く、感動体験に繋がる場合も多くあります。
巧みな心理作戦を使い、受講者は「感動の嵐」に包まれて号泣しつつ受講を終了します。
しかし、この体験を通して、普段の思考や個性が抜き取られ、子供のように無知な従順さを持った状態になっているのです。
ここで、第二段階のセミナーを勧誘すれば、ほとんどの人が引き続き受講してしまうのです。
それでなくとも高額な受講料がさらに高くなっていても、従順にされているので何が何でも受講しようとします。
こう言う心理から借金や金銭トラブルを引き起した事実はたくさんあります。
来週はさらにディープな部分に触れたいと思います。
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