美人は得でブスは損?・その2

前回、美人がそうでない人よりも誰からも高く評価されたり、優遇される事を紹介しました。
今回は美人の苦労面を考察します。

知らない人と会った時、長い時間その人と接しなくても「こういう人」と自分なりの感覚で判断して答えますね。
外見(容姿やファッション)や動作などで決まる第一印象や、人から聞いたその人の話などを自分の中でブレンドし「その人となり」を判断します。その時、やせているから神経質そうと言った知らないはずの性格まで判断します。
これは心理学では「対人認知」と言われています。
そして、自分が組み立てた「こういう人」を念頭に入れた状態でその人と接して行きます。
その1で紹介した「実験その2」同様、相手が容姿端麗の場合、そうでない人に比べて頭脳明晰で性格も良いと言う評価が第一印象に入ってきます。
外見が良ければ良いほど内面も優れている印象を持つのです。

以前、ある男性の発言で「物凄い美人で見とれていたら、めちゃめちゃ東北訛りで喋ったから一気にゲンメツした。」と言うのを聞いたことがあります。
この男性は「美人は言葉も綺麗な標準語を喋る」と「対人認知」していた訳です。
美人はお国訛りさえゲンメツの対象になってしまうのですね。
つまり、私達「中から下」的ルックスの人と同じ事をしただけでも、周囲から求められた「才能溢れる人間像」からかけ離れてしまい、周囲を落胆させてしまうのです。

このように内面も大変優れていると感じられた側の本人は、まわりから判断された印象を崩す事に抵抗を感じます。それは、円滑な対人関係を脅かす危険があるからです。
そして、周囲から求められる完璧な人間像を演じようと頑張ってしまうのです。
子供の頃、可愛くて勉強も運動も出来て真面目でやさしくて道徳観が強くて学級委員や生徒会役員に選ばれる女の子が学校に少なくとも1人位いませんでしたか?
そういう子は幼くして完璧な人間像を演じるのに人一倍頑張っていたのです。
個人的見解ですが、菊川怜さんがもしも容姿端麗でなかったら東大に行っていなかったかもしれません。
いつも頑張って有能な人間を演じるのは大変なパワーがいりますよね。

美人は美人でない人に比べて「不安感」をたくさん抱いていると言う研究結果があるそうです。
恐らく、高い評価を維持できなくなって周囲を落胆させる不安や老いて容姿が悪くなる事に対しての不安がいつも心の中にあるのでしょう。
美人は知らない所で結構苦労しているのですね。
次回は美人は得でブスは損なのか、はたまた異性に対してはどうなのかを考察してこのお題を締めくくりたいと思います。
[1]週刊ココロコラム
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