嘘の考察・その1
みなさん、嘘ついてますか。(^^)
私は嘘なんかついていません、と言う人ほど嘘をついているかも知れませんね。(^_^;)
嘘と聞くと悪いイメージがありますが、「嘘も方便」と言う言葉があるように、全ての嘘が悪いとは限りません。
お世辞や社交辞令だって、並みの容姿の相手に気を遣って綺麗と言うもの立派な嘘です。
さらに、自分の本音・本心・本意に基づいた言動以外を嘘とするならば、嘘をつき倒さなければ社会生活を円滑に送る事は出来ないでしょう。
今回はそんな嘘についての考察です。
人は3歳頃から嘘をつき始めると言われていますが、なんと生後8ヶ月の赤ちゃんが(行動で)嘘をついたと言うお話も報告されています。
但し、子供は脳が未発達なため、想像と現実との区別の曖昧さや少ない記憶容量などから、子供の言動が結果的に事実と異ると言ったタイプの嘘が多い傾向があります。
成長と共に自分と人との境界がはっきりし、「自分」が形成されていくにつれ、事実と異なる事を自覚した嘘をつくようになっていきます。
そして、いろいろな場面で嘘のテクニックを自ら学び、私達は嘘を使い分けるようになっていきます。
嘘にはいくつかの種類があります。分け方は解釈によって様々ですが、だいたい次のようなものが挙げられます。
これらを見ると、嘘は自分または相手に対して何らかの働きかけを行うための便利なツールと言えるでしょう。
・自分を守る嘘(言い訳や正当化など)
・自分を良く見せる、優位に立つ嘘(見栄や虚栄など)
・社会生活や対人関係を円滑にする嘘(社交辞令、建前、お世辞など)
・相手を守る嘘(余命宣告を本人に知らせない家族など)
・相手を陥れる、騙す嘘(詐欺、悪徳商法など)
次はひとつずつ解説していきます。
■自分を守る嘘
自分を守る嘘は2種類ありますが、その多くが相手との関係性の中で自分を守る嘘です。
提出期限に間に合わなかった課題を提出する時、実際は怠けていたですが、怠けていたと言うと内申点(査定)に影響すると困るので、もっともらしい言い訳を並べる、なんて事はよくあるパターンかも知れません。
これは自分の利益を守るための嘘と言えるでしょう。
言い訳以外に口実、言い逃れ、屁理屈、
弁解なども同様ですが、面白い所では逆ギレも自分を正当化させる嘘のひとつです。
もう1種類の嘘は、自分で自分を守る嘘です。
事実をありのままに受け入れると自分自身の心が参ってしまうような事柄は、自分を守るために形を変え(つまり嘘にして)受け入れます。
これは「自我防衛機制」と呼ばれる心の働きで、具体的には反動形成(第143回「好きな子をいじめる男の子」参照)、合理化(第118回「昔話を考察する・その2」参照)、投影(第223回「ココロの鏡・その1」参照)などがあります。
防衛機制は無意識な心の動きですので、自分で自分に嘘をついている事にほぼ気付きません。
■自分を良く見せる、優位に立つ嘘
ひと目でどこのブランドの物か解るブランド品を身につけているが実はニセモノ、ホントは大学中退なのに卒業したと言う、会社員の父親の職業を外交官と言う、知らない知識をさも知っているかのように語る、と言った見栄や虚勢を張るのはこのパターンです。
見栄や虚勢は、財産・地位・名誉など(の嘘)をよろいにして自分を良く見せる行為で、裏を返せば自分の自信のなさの現れです。
自分の立場が優位(あるいは有利)な状態にするためにつく嘘も、根源は同じです。
また、人から好かれたい、愛されたい、人格者やいい人に見られたいと言う気持ちが強い場合も、自分を良く見せるための嘘をつく傾向があります。
残りの項目については、次回ご紹介していきます。
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